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21世紀工芸の担い手
必読! 陶芸、染織、金工、デザイン、建築、美術史、デザイン史、考古学、民族学、芸術評論、環境デザイン論などの現場から22名のパネリストが解き明かす工芸の本質と可能性。巻末にすぐに役立つ用語解説 出版社より発売中
内容:
口絵 カラー16頁 10作家の作品とコメント
●いまぼくが工芸がおかれている状況をおもしろいと見ているのは、なんといっても近代主義が行き詰まってしまったことに、どう応えられるかですよね。(中村:陶芸)
●現代のファッションを身につけるように現代芸術、あるいは現代工芸を身につけてゆくやり方にたいへん疑問を感じています。(柳原:陶芸)
●他人にはできない微調整が、作者本人にだけ可能なのが、ハンディクラフトの世界における一つの大きな特徴であると私は思います。(山口:デザイン)
●陶器の断面から世界を見つめなおし、自分なりの陶芸観ができるのではないかと、いま陶芸を続けています。(田嶋:陶芸)
●ただ布を膨らませてみたかった、風を孕む布をつくってみたかったという、それだけの理由でステンレス・スチールの細い線を使うようになったんです。(熊井:ファイバーワーク)
●金槌の当たり具合で、瞬間的に形態が顕れ、消え、方向が動きますので、瞬間の判断力が必要な方向です。(橋本:金工)
●自然の素材は、自然のまま使うとだいたい不均質で、一個一個違うんですよね。そういう自然の素材がもっている不均質なばらつきを、むしろ積極的に活かしたい。(藤森:建築)
●遊びとかよろこびですね、そういう要素がいつもほしいのです。仕事に遊びの要素がないと続かないですわな。作品を見るひともしんどいでっしゃろ。(三浦:染色)
●ぼくがあるとき壁に向かって描いた弧で、「ここまで行きたい」と思ったのが三メートルだった。(深見:陶芸)
●模様染め文化や、それに関する感性は、ヨーロッパ文化には欠落しているものだから、ぼくの場合は、「文化の翻訳」とか国際理解の壁がつねについてまわる。(福本:染色)
著者25名による提言「21世紀は工芸がおもしろい」
第1章 大学と工芸
●長いスパンでものを見まして、現在の学校教育、いわゆる公教育というのは、はっきり言って失敗じゃなかったかと私自身思うんですね(宮島久雄:近代デザイン史・国立国際美術館)/●私が密かに誇りにしているのは、陶芸コースが以前から「教えすぎない」という教育方針を明確にして、それを大学や工芸学科の案内書のなかに文章で明記してきたことです(柳原睦夫)/●生々しく競争させる、自分の創造力を引っぱりだす、創造力を他の人と比較させることを二〇歳代のときに経験してもらうことは、ぼくは授業料に見合ったことだと思うんです(中村錦平:陶芸・多摩美術大学)
第2章 「装飾」をめぐって
●クラフトの問題が置き去りにされているということへの反省が、まずイギリスでアーツ・アンド・クラフツ運動というようなかたちで提起されてくるわけです(藪
亨:デザイン史・大阪芸術大学)/●日本では第二次世界大戦後にファッションの分野から「デザイン」という言葉が急激に普遍化し、「デザインとはなんぞや」と十分に考える暇もなく日本語化されました(山口道夫:デザイン・大阪芸術大学)/●純粋芸術の絵画・彫刻は「視覚の美」、工芸・建築は「全感覚の美」である(鶴岡真弓:西洋美術史・立命館大学)/●装飾が主役で、装飾こそが実態を認識する役割をもっているのではないか(柳原睦夫:陶芸・大阪芸術大学)
第3章 創作の現場における「発見」
●立体として成立させるためには、まわりの空気、空間をいかに作品といっしょに組み込ませるかが重要なポイントであると思いました(田嶋悦子:陶芸・大阪芸術大学)/●材料を触っていると「こんなこともできる!」なんて発見があるんですね。私たちが生きていて、いちばんうれしい瞬間は、なにかを「発見」した時じゃないかと思うんだけど(熊井恭子:ファイバーワーク・長岡造形大学)/●1985年でしたが、野外空間で作品を展示するということを要請され、はじめは自分の作品を単純に持ち出せばよいと考えていて、それではすまないということに気づかされました(橋本真之:金工)
第4章 縄文と工芸
●土器は主として渦巻文だとか波状文だとか、デザインによって地域性がみられる、これは一種のファッションです。それによって一定の地域性が把握できるという事実はちょっと不思議だと思いませんか(小山修三:民族学・考古学・国立民族学博物館)/●「縄文人のこころをつかむ」ためには、土器の技術や機能性よりも、むしろ、土器が単なる器物以上の役割をする部分に注目すべきではないかと思われます(福本繁樹:染色・民族藝術学・大阪芸術大学)/●30数年、私の焼物造形の原点は縄文なんです(柳原睦夫)/●じつは私たちは、その概念が機構化された枠に従って学んで、それを今度は過去に投影して歴史として見ている。いわば近現代の色づけのサングラスで見ているわけですね(佐藤道信:日本美術史・東京芸術大学)/●たしかにアンソロポモーフィズム、神人同形説的な考え方が、絵画・彫刻の上位概念という幻想を生み出すのに、なんか働いたかなぁという気がしますね(建畠
晢:芸術批評・多摩美術大学)
第5章 モダニズムと工芸
●とくに20世紀の建築というのは、1920年以降に成立したんですが、基本的には、自然の素材ということをあまり考えてこなかったのですね(藤森照信:建築史・東京大学)/●なぜ絵画中心になったのか、なぜ美術史というものがこのようなかたちで展開してきたのかということを考えていくときに、工芸というジャンルの成立過程が、ひじょうに重要な意味を帯びて見えてくるわけです(北澤憲昭:美術評論・跡見学園女子大学)/●アール・デコというのも私のひとつのテーマなんですが、これはデザインと、工芸と建築とも関わり、また、室内に掛けるという意味では絵画とも関わったりという、そういう複合したところですね。そこに私は興味があるということです(佐野敬彦:環境デザイン論・大阪芸術大学)/●金工や陶芸や染織など、全部ひっくるめてやるコースがあってもおもしろいんではないかというような提案は、示唆するものがあると思います(山口道夫)
第6章 グローバリズムと土着性
●沖縄の工芸をわかりやすく言うとき、「いろいろなところが見えるもの」と、よく説明しています(與那嶺一子:沖縄工芸・沖縄県立博物館)/●そういう沖縄病に代表されるような人たちが外からの目で考える沖縄像を修正してゆくのが一つの仕事だと思います(小林純子:日本美術史・沖縄県立芸術大学)/●その土地でしか生まれてこないもの、そういうものが必然的に生まれてくる土壌といったものが大事なのではないかということです(松原龍一:近代工芸・京都国立近代美術館)/●それぞれの地域、風土によって現われてくる形、あるいは必要性というのも伴って、工芸のひとつの特性が出てくると思うのですが、現地では、地域性の違いをこえたところでのインパクトを受けたようでした(今井陽子:美術史・東京国立近代美術館)/●自然と人間と、その人間の手によってすべてが営まれるという工芸の原型がそこにあると思いました(柳原睦夫)
第7章 現代の模様をつくる
●私は「現代の模様」がないような気がしますのでね。自然とのつながりのなかで、現代に生きた模様ができたらなと思っています(三浦景生:染色)/●京都というところは根の深い文化の蓄積した街で、私は京都に育てられたという感がつよいです(三浦景生)/●「パターン」とは「原型、型」の意味合いが強くデジタル的なものですが、「もやう」とは、「かたち」「ありさま」「様子」でアナログ的なものだととらえています(福本繁樹)
第8章 想いのカタチを青白磁に託して
●焼きものも染めものも、とくにこの日本が高度なレベルを誇る芸術ジャンルです。でもなぜこの二つが日本で特異的に発達したのか、興味深い理由があるはずです(福本繁樹)/●焼きものの伝統、歴史のなかで、磁土と青白磁とで、陶芸の世界に針先ほどでもいいから、ぼくなりの風穴を一つあけて、向こうへ行けたらうれしいなと(深見陶治:陶芸)/●焼きものの技術・技法というのは、いわゆる現代美術とか、ほかの美術にはない、すごみと奥行きをもっていると、ぼくは強く信じている。だから、他のジャンルとはちがうよと(深見陶治)
巻末付録「語句注解/用語解説/索引」 221の語句、専門用語、人名をわかりやすく解説
著書 目次
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口絵 (著者10名の作品とコメント) |
3 |
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21世紀は工芸がおもしろい |
16 |
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第1章 |
大学と工芸 |
25 |
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中村錦平/宮島久雄/柳原睦夫 |
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第2章 |
「装飾」をめぐって |
57 |
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鶴岡 真弓/藪 亨/山口道夫/柳原睦夫 |
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第3章 |
創作の現場における「発見」 |
93 |
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田嶋悦子/熊井恭子/橋本真之/柳原睦夫 |
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第4章 |
縄文と工芸 |
123 |
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縄文時代と工芸 小山修三 |
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ニューギニアの土器の例から 福本繁樹 |
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セッション:縄文遺跡にて「大学と工芸」を考える |
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佐藤道信/建畠 晢/小山修三/柳原睦夫 |
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第5章 |
モダニズムと工芸 |
163 |
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藤森照信/北澤憲昭/佐野敬彦/山口道夫 |
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第6章 |
グローバリズムと土着性 |
193 |
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與那嶺一子/小林純子/今井陽子/松原龍一/柳原睦夫 |
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第7章 |
現代の模様をつくる |
223 |
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三浦景生/福本繁樹 |
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第8章 |
想いのカタチを青白磁に託して |
249 |
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深見陶治・福本繁樹 |
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著者略歴 |
284 |
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大阪芸術大学藝術研究所研究計画活動概要 |
288 |
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後記にかえて 福本繁樹 |
290 |
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語句注解/用語辞典/索引 小野山和代/東野眞紀/館美奈子/福本繁樹 |
326 |
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